The Revolutionary Association of the Women of Afghanistan (RAWA)
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RAWA, March 8, 2012

アフガン女性の闘いが、原理主義、占領、男性中心社会からの自由をもたらす

国際女性デーへのRAWAの声明

アフガン女性が、占領軍と、〝ジハディ・マフィア〟政府と、タリバンのテロという苦難のもとにあるまま、また一年というときが流れた。こうした状況で、貧困、ホームレス、移民、愛するものを失った人、家庭内暴力、レイプ、自殺が増加し、妊婦と乳幼児の死亡率が上昇している。そのほか何千もの悲惨な出来事も。

国連の統計調査によると、昨年、およそ5,000件もの女性に対する暴力事件数が記録された。もっとも、実際の件数はこの何倍にもなる。昨年までの過去10年間にわたるアメリカとNATO軍の占領は、レイプや集団レイプの被害者であるアフガン女性、少女にとっては生き地獄だった。EUの報告書によると、レイプ被害者であるにもかかわらず「犯罪者」として投獄されている数々の女性いる。レイプの実行犯は、政府の高官あるいはその関係者であり、石器時代の役人からなるアフガニスタンの腐敗した司法では、こうした犯罪者たちを裁くことができない。2011年の世界の母親がおかれる状況というタイトルの報告書によると、アフガニスタンでは、毎日50人もの母親が出産時に命をおとす。しかしこうした事実は、裏切りものである高官、女性省そのもの、女性省の大臣、議会をよくみせるための存在に過ぎない人々にとって、NGOにとって、そして女性の人権という口実でもってアフガニスタンを占領したアメリカと西欧諸国にとってはほとんど重要性がなく、耳をかたむけるべきことではなかったのだ。

アメリカと同盟国は10年前、テロリズムとアルカイダ、タリバンを根絶するという名目でアフガニスタンを占領した。マーク・ヘロルド教授が集めたデータによれば、アメリカは、占領開始後ほんの数カ月で、ニューヨークでの9・11テロ事件の犠牲者と同数の民間人を空爆し殺した。アフガニスタンの市民に対し報復をしたのである。多くのアフガニスタン人は、残虐で犯罪的なタリバン政権の抹殺を望んでいたが、独立を犠牲にして、というわけではなかった。アメリカの攻撃開始からわずか数日後に、RAWAは声明を出した。「私たちにとっての真の緊急問題は、タリバンとアルカイダの悲劇を根絶することです。たとえ、人びとがタリバン、アルカイダの増長になんら関与していないといっても。そして民主主義的な価値観に基づいた政府をつくることが必要です。仲間たちは、今立ち上がり、タリバンとオサマを永久に駆逐しなければなりません」。アフガン人とともにあるRAWAが求めたことは、外国の侵略によってではなく、われわれの隆起と闘いによってタリバンをなくすことでありました。

軍事的・経済的加えて戦略的策略のため、アフガニスタンを侵略し、そのまま居座るつもりのアメリカ政府とNATOは、われわれ女性の悲劇と苦難を不当に利用し、過去10年間、タリバンを追いかけまわしてはやりかえされるゲームにいそしんでいた。何千もの罪なき女性・子ども、老若男女を犠牲にし、今度はタリバンと「平和と交渉」という別の裏切りゲームを始めた。まず手始めにアメリカとNATOは、残忍なタリバンを「穏健派」と「強硬派」に分けた。そして、今のところ、アメリカ副大統領ジョー・バイデンが、「タリバンはわれわれの敵ではない」と宣言するというところにいたっている。これは真実である。タリバンとはISIの指揮下にある、アメリカによるプロジェクトの産物なのである。タリバンがアメリカの敵であることは決してない。タリバンはわれわれ人民の敵、自由の敵、女性の敵、民主主義の敵、正義の敵である。

A poster of RAWA depicting life under fundamentalism and its solution
A poster of RAWA depicting life under fundamentalism and its solution. (Photo: RAWA.org)

血に飢えたタリバンによる取引の最初の犠牲となるのは、この国の女性たちだ。女性にとっては中世のような法律を支持することで、カルザイの傀儡マフィア政権は、パキスタンの手先であるタリバンとの協働への方策をとりたいのだ。こうした非人道的な法律のごく最近の例は、「アフガニスタンウラマ評議会」と呼ばれる、政権の手先機関による声明であり、それはタリバン時代の無知と恐怖が支配する法律の写しであった。カルザイもまた、恥知らずにもその声明を支持した。アメリカの侵略者たちは、アフガニスタンという国が人民と常に戦争状態にあり、犯罪者たちと友好的である、というRAWAの一貫する主張が正しいことを証明した。アメリカの、暗く血に染まった歴史は、アメリカが常に裏切り者の政権・一派・機関と組んできたこと、人々の社会運動の消滅と政府の転覆を画策してきたことをしめしている。アメリカは、アフガニスタンで政権を担う政府がどんな政府であろうとおかまいなしなのである。かれらにとって重要なのは、アメリカのいいなりになる裏切り者が政権を担うべきであること、アメリカの恒久的基地に反対しない政府であること、そしてロシア、中国、イラン、インドやパキスタンを脅迫し支配するためにアメリカにこの(アフガニスタンの)土地を使わせる政府であることなのだ。アフガニスタンを、アメリカと帝国主義者らがこれら(アフガン周辺)の地域の人々のあらゆる革命的運動の鎮圧の場として使用することを容認し、概していってアメリカと同盟国の利益を守る政府が必要なのだ。いまや、アフガニスタン政府がタリバンによって支配されるか、北部同盟によって率いられるか、あるいは別の犯罪人らの手の下にあるかということは、アメリカやNATOにとって少しも重要ではない。

あらゆる傀儡指導者がそうであるように、カルザイは持てる権力と能力全てをそそぎ、外国の主人ら、とくにアメリカの策略と政策のために仕えている。そのためそうした外国勢にとっては、カルザイはこのうえなく有用とみなされ、カルザイは権力の座に長く居座ることだろう。誇りや愛国心などみじんもないスパイと裏切り者たちの集まりである因習的なジルガは、―アメリカの長期駐留と恒久基地の存在を許し同意し合法化したのだからそのように述べているのだが―そのことにおいて、カルザイと同様である。

アフガニスタン、イラク、リビアの戦争において、数々の限りのない犠牲、資本主義諸国での深刻な経済危機、そして反戦、反資本主義を掲げる西欧諸国の人びとの巨大なうねりは、アメリカや帝国主義政府たちに自国民を欺く他なくさせ、圧政者らはある場所では駐留軍を削減したが、代わりに別の地域に攻撃をし略奪をした。最近の例はシリアである。国は破壊され、野蛮なタリバンのような原理主義政権が貧しい人々に負わされた。

アメリカやNATOは2014年に撤退すると言うが、それは単なる削減であって完全な撤退ではない。手下であるアフガニスタン政府と恒久基地の建設の協定の調印に目下追われているアメリカは、アフガニスタンを決して手放しはしないだろう。それはその戦略的に重要な地理的条件のためであり、イギリス人やロシア人に対してしたように、われわれ国民がアメリカを辱め追い出さない限り居座り続けであろう。

10年に渡る殺戮と破壊ののち、アメリカとNATOは、北部同盟、タリバン、グルブディンのような犯罪者と外国のスパイに社会全体が支配された政府をわれわれに残した。この国は今や、汚職では世界第二であり、麻薬の最大生産国となり、何百万ドルもが国にもたらされているにかかわらず、200万もの中毒者がいる。世界一多くの難民をうみ、50万もの国内避難民があふれ、人口2,700万人中の700万人が飢えに苦しみ、国の最重要ポストはファヒム、ハリリ、アッタ、ファローク・ワルダック、ラヒム・ワルダック、イスマル・ハーン、アンワル・ウル・ハク・アハディ、スパンタ、カリム・フーラム、ハディ・アーガンディワル、ドスタムのような、最も悪名高い裏切り者たち、その他あげればきりがない殺人者と掠奪者が占めている。

アメリカと欧米のあらゆる欺きにかかわらず、良心なき一握りの御用学者たちは、政府系メディアを通じて、毎日のように、アメリカの恒久基地をプロパガンダ化し伝えている。それはまるで、われわれの国の運命と繁栄が、軍の協定と固く結ばれているとでもいうように。女性と人びとの平和、安定、幸福は、アメリカの恒久基地がなければ実現されないかのように。魂を売り渡し、ドル札で盲目になった知識人たちは、アメリカとアフガン人の共犯者らが引き起こした甚大な被害と犯罪がみえない、あるいは目を向けようとしない。自分たちの愛する者が無慈悲なアメリカとNATOに殺され、小便をかけられ、指は切り落とされ、それを勲章としてとっておかれたならば、こうしたことに目を向けるようになるのかもしれない。彼らは、(どんな国であれ)国は外国と結びつくことでもって栄えることはできない、という大切な歴史の教訓を無視し、また、数えきれぬ流血を記録した歴史を持つアメリカのように、人々が連帯し民主主義・人権を求め自らをささげない限り国は栄えない、という大切な歴史の教訓を無視し、ばかをよそおっているのだ。

アフガニスタン女性革命協会(RAWA)は、国際女性デーに、アフガニスタンの女性すべてにむけて宣言する。外国の占領、北部同盟のマフィアたち、堕落したタリバンや反女性的なものによる支配からの解放は、われわれの団結と闘いによってのみ達成できる。女性のDVやレイプ、虐待や自殺がNGOのセミナーや議論によって根絶されるなどということはありえない。あらゆる民族の女性や部族からなる女性組織が、占領に抗う反原理主義運動をつくることによってのみ、女性が自由を得ることができるのだ。

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